花粉症、その時体に起きていること

整体では、「花粉症は硬直した体を緩めるための反応」と捉えています。

花粉症になる前提として体の硬直、主には肋骨、鎖骨、首等に硬直があるのですが、では実際に花粉症になっている時にどんな体の変化が見られるのでしょうか。

私も一時花粉症に苦しんだので、その際の状況をご参考に書いてみます。

私の場合、日中に重いものを運んだりして腕を使った仕事をした晩や翌朝に、必ず鼻水、くしゃみ、涙目が止まらなくなりました。眠るのもままならい時や仕事中には止むを得ず薬で症状を抑えながらやり過ごしていました。

何シーズンか経ったある年、整体で実際に何とかしてみようか、と思い立ちました。

花粉症状が出始め、しばらくして酷くなってくると、まずは首(頚椎23番)の椎側の硬直を指で押さえ、次に後頭骨と頚椎2番の間の詰まった処を指を入れて開けていきます。あとは頚椎2番と3番の間に指を入れて椎間を開ける、後頭骨の溝を持ち上げる等々鼻水をかみながら、くしゃみを連発しながら薬に手が伸びそうになるのを我慢してやっていきました。家族からは薬飲めば?って冷ややかな目で見られていたと思いますが

こうしていると、酷い症状がだんだんと和らぎ薬を飲むほどではなくなっていくのでした。やっぱり首かなんて思いながら、こんなことを症状が出た際に45回ほど繰り返しやったでしょうか。これはこれで、薬のように飲むだけと簡単ではありませんが、その薬を飲まなくてもなんとかなるんだと言うことを実感できた出来事でした。

そんな中、毎日やっていた体操があるのですが、それこそ何ヶ月もかけてもちゃんと出来なかった体操が花粉症が落ち着いた翌日やってみるとなんと、いとも簡単に出来てしまったのです。肩甲骨の可動性をつける体操で、途中胸周り、鎖骨、胸骨がぐっと伸びて、あんなにきつかったのがなんの造作もなく簡単に出来てしまったと言う感じです。これには自分でもびっくりでした。

つまり、花粉症と言う症状を全うすることで、体は硬直した部分を緩める、より健康な方向へ向かっていくのでしょう。

整体(と言うほどではないですが)が効いたのは、その症状を全う(やり過ごす)するための補助、という感じでした。

花粉症に限らず、風邪でも頭痛でも、その症状は『体がより良く変わるために起こしている反応』と言うことです。これを薬で止めてしまうとせっかく変わろうとしている体の働きを止めていることになるのです。繰り返し止めていると体はどんどん硬くなっていつしか反応が出ないようになっていきます。反応が起きない体は、体内に不要なものを排泄出来ずに溜め込んでいき行き着く先はもうご存知でしょう。

整体で言う『病気は治すものではなく、経過させていくもの、より健康な体になるための反応』を実感した私なりのひとつの出来事でした。