合掌行気

整体法は体の自然農

人間も草木や野生動物と同じ自然界に存在する生き物です。整体法とは、どこを押せば腰痛が治る、肩こりが消えるなどというものではなく、体の自然に従うことで楽々悠々と人生を全うする道を歩んで行く術(すべ)のようなものです。

人間は生まれながらにして生き切る能力を備えて誕生しています。体が傷付けば勝手に元に戻り、不調になればウイルスを利用して風邪をひき、熱を出して体の弾力を取り戻し、季節が変われば季節に見合う体へと切り替えて環境に合った体を作ります。こうした体の自然の働きに気づき体を整えておくことで、やれウイルスだ、ワクチンだ、殺菌消毒だ、予防だ、と自然界から隔絶し細工を凝らして安心を求めることなく、あるがまま、なるがままで不安や恐れなく大きな安心感を持って暮らしていけるようになります。

体の自然を全うさせる

体に熱がこもれば汗で熱を排出し、その汗を出し切れば心身は軽くなる。不調になれば熱をだし、熱を出し切れば以前にも増して体も心も弾力がつく。今、食べたいと体が要求するものを感じ、要求があるからこそ栄養に変えて吸収する。そして美味しさを感じなくなれば食べ終える。

こうした体が発する自然の働きを都合で止めてしまうと、体はその働きを出さないように順応してしまいます。その結果、体も心も弾力を失い持っている力を出せなくなるため、体の働きさえも恐れ、何々すべし、何々べからず、を探し頼るようなことになってしまいます。

頭で考えたり計算したりして損得で生きていくのとは全く違う生き方ですが、整体法は人間が自然の中で生きてきた日本古来から脈々と伝わり受け継がれてきた生き方の智慧です。

整体操法について

もう百年も昔、第二次世界大戦の戦時下、野口晴哉氏が中心になって、日本全国の優れた療術を集めて体系化しまとめたものが「整体操法」です。(整体と言う言葉の始まりです)
西洋医学でも東洋医学でもない、「日本の医学」「和の医術」と言えるものだと思っています。
(厳密にはカイロプラクティックやオステパシーなど海外の治療法も取り入れています)

特徴
1.メニューや時間、コースはありません。
2.毎回体全体を読んで診ていきます。
3.体の中の滞り、つかえている所に的を絞って施術します。時には髪の毛の先ほどの硬結の頭(滞り)を捉えて整圧します。
4.体の働きが正常になるにつれ症状は無くなる方向へ向かいます。
5.本来体が持っている「治癒力」をいつでも発揮できる体になることが目標です。

整体操法の実際

主に背骨とお腹で体を変えて行きますが、その手順や時間に決まりはありません。そして必ずしも症状のある場所を施術する訳でもありません。今現在ネックになっているところを操法します。
(野口整体の整体操法をベースにしていますが、体癖や活元運動による指導は取り入れておりません)

背骨の調律

心身の状態は全て背中に現れます。例えばお腹が空いていれば、胸椎6番(肩甲骨の真ん中辺りの骨)が右に傾きます。そして何かお腹に入れると同時に左側の筋肉(椎側)が硬くなり、お腹がいっぱいになれば6番は左に傾きます。口では「何も食べていない!」と言っても背中は「食べました!」と語っています。

そして胃潰瘍など胃に不調があれば胸椎56番の右椎側に硬結が現れ、その硬結を捉えて気が通って解けてしまえば胃の不調も消失します。

また、その人の弱いところ、滞りがあるところも背骨に現れていますので、現在だけでなく将来に渡ってその人の注意すべきポイントがわかるのも背骨です。

お腹の調律


お腹は現在の体力、回復状況(これから悪くなるのか、回復期に入ったか等)、排泄力、心理状態や性格まで現れるところです。体に歪みがあれば、胃や肝臓、腸、腎臓などお腹の中にも影響しています。つまり、お腹に力と弾力がある体が本当の健康体です。お腹が整うと、その人本来の力が発揮できる体になります。症状の改善というステージから本当の健康体へのキーになる場所が「お腹」です。

胸郭の調律

背骨のS字カーブが長い間崩れていると、肋骨に異常な硬さや歪みを作ってしまいます。また肩甲骨は位置がズレて動かなくなります。これら肋骨の歪みが解けないと回復は見込めません。

胸郭に歪みや硬直があると言うことは、やはり肺や心臓などの臓器にもそれなりの影響を与えています。一般的に見落とされがちな肋骨ですが、本質的な症状改善には見落としてはいけない重要な場所です。

骨盤の調律


背骨を木の幹に例えるなら、骨盤は木の根っこに当たります。骨盤異常は足や泌尿器、生殖器など骨盤内臓器にも影響を与えています。また呼吸器とも深く関連しています。弾力がある引き締まった骨盤は健康な体のひとつの目標です。

頭部の調律


頭部はその人の体の状況が鏡のように現れる場所です。骨盤や胸郭の歪みがあれば頭にもそれが映し出されます。頭部をみれば体の状態がわかってしまいます。めまいや頭痛、目、鼻、耳、口内、自律神経などの問題は頭部や首の歪みがもたらすものです。

適応症は? 腰痛、肩こり、骨盤矯正以外にも

様々な方が様々な症状やお悩みで来室されていますが、あくまでもからだの働きを診ていますので、基本的に症状や病名は問いません。症状は結果として出ているものです。そうならないように身体に方向付ければ身体は自ずと正常に戻ります。

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