(会員向け整体通信より抜粋)

風邪になったら

風邪の経過の仕方は度々説明していますが、改めておさらいをしておきましょう。

風邪かな?という時

まずは風邪かな?って怪しい時には足湯(そくとう)をしっかりやりましょう。喉がいがらっぽいとか怠いとか初期の風邪であれば足湯だけで収まることもしばしばです。ついでに熱いシャワーを鎖骨鎬(鎖骨の上の窪み)や首に集中的に浴びせるのもいいです。私は足湯の温度のままで48度のシャワーをそのままかけたりします。風邪を引く際は体が鈍くなっているので案外大丈夫なものです。

発熱時

こうして1日に2〜3回足湯をやっても進行する場合はもう覚悟を決めて風邪を全うさせましょう。

熱が出てきても普通に過ごしていて大丈夫です。体温は左右の脇両方で測ってください。発熱してなくても左右でニ分(ぶ)差がある時はすでに風邪になっています。つまり体が崩れると風邪を引いて勝手に修復に入るのが正常な体の反応です。

発熱時は体が一番働いているので普通に動いていて問題ありませんが、食欲がない時は食べないこと。水が飲めれば水、進まなければポカリなどで水分は絶えず取っておきます。

当たり前ですが体が必要として上げている熱を下げようとしないこと。ウイルスやワクチンなど異物に熱で抵抗しているにもかかわらず解熱剤で下げようとするのはもちろん、アイスノンや冷えピタはかえって経過を悪くして、自身を苦しめますのでご注意を。やるなら熱い蒸しタオルを首や後頭部に当てましょう。気持ちいいものです。

汗をかいたら着替えたり拭いたりして冷やさない、風に当てたりして冷やさないのはもちろんのことです。

お風呂は普段通りに入って大丈夫ですが、無理やり入る必要もありません。

熱が38.5°を超えてきたら後頭部の盆の窪に蒸しタオルを3〜5回当てて熱が上がりきるように呼び水として使います。

熱は上がり切ればストンと落ちてきます。上がることを恐れて下げようとするのは、火に油、アクセルを踏みながらブレーキをかけるようなものなので、何も風邪の時に更に苦しい修行を課すこともないでしょう。体が鈍り、自然の経過のサイクルを壊してしまいます。

熱が出ない時

さて、熱が出てくれば体は順調に回復の軌道に乗っていると判断できますが、熱が出ないで咳ばかり、頭痛がするが微熱しか出ない時などは、風邪も上手く経過していきませんので、しんどいものです。薬を飲んでいたのを自然に任せてみようとして、切り替え始めの数回はなかなか体が上手く熱を出してきません。何回か経過させていくと素直に反応するようになってきます。しっかり経過できるようになると、8〜16時間程度で風邪を全うするようになります。

熱が出ない、上がらないのは熱を出す力もなくなった場合や、熱を下げたり薬で症状を抑えたりして治る力を抑制する訓練を続けた場合もですが、非常に多いのが体の強張りが強い人、特に肋骨に硬直がある人です。

ですので風邪の引き始めに肋骨を緩める操作をすると一気に発熱します。まだ体に弾力があれば左右で短い方の足の腿裏を引っ張ってあげると咳も収まり熱が上がってきます。

通常、操法や体操、蒸しタオルで肋骨を緩めると風邪に入ることが多いのも、こうした体の反応が蘇るからです。

熱が上がったかと思うと下がったりを繰り返す場合は、胸椎10番(肘より少し上のライン)の捻れが起きています。側腹(脇腹)の硬い方の皮膚を摘んで何回か引っ張ってみましょう。捻れが取れるとサッと発熱します。

熱が下がった後が山

風邪で一番大事なのが熱が下がった後です。熱が下がって平熱に戻る前、一旦平熱以下に下がります。2〜3分(ぶ)下がるはずで、その間だけは養生します。平熱を作れない程体が働けない無防備な時だからです。風邪で体力が落ちたとか弱ったとかではありません。熱が下がったけど、怠さがあったり元気がないような状態です。

通常は8〜16時間(子供は6〜12時間)くらいですが、はしかやおたふく風邪や大きな風邪の後は2週間程平熱に戻らない場合もあります。体を冷やさないのはもちろん、汗をかいた場合は直ぐに着替える、大食い飲み過ぎ厳禁、激しい運動厳禁、性行為も控えめに、大人しく過ごしてください。

この時期に無理をすると、せっかく風邪で体がリセットする直前にもかかわらず、風邪を引く前より更に体を崩してしまい、思わぬ方向へ行ってしまいます。もう一度、風邪をまた引くことでしか取り返す術は見当たりません。しかし、一度体を裏切るとそう簡単には風邪を引かないのもまた厄介なことです。

ですので、熱が下がってから平熱に戻るまでが一番体温計が必要な時です。

風邪を引き切った後に起こること

こうして風邪をしっかり引き切った後は、体に弾力は付いているのはもちろん、ぐっすり眠った晴れ渡る朝のように爽快で元気を感じ、体がはつらつとして、気分もワクワクするような高揚感さえも湧いてきます。風邪を引く前の自分とは違った自分になっていると実感できたら、風邪を全うしたということです。

普段の生活や生き方まで変わるきっかけになるのが本来の風邪というものです。

そうは言っても風邪になると心配な方に…

風邪で寝込んでいると不安になるのも分かります。そんな時は、脈と呼吸を測ってください。

これが1分間の脈の数➗1分間の呼吸数が4で割り切れていれば体は問題なく順調に回復に向かっています。体に任せていれば大丈夫です。

一息四脈(一回の呼吸のうちに4回脈打つ)或いは一息五脈三脈でも許容範囲です。

また整体では背骨の状態(通常は胸椎5番、胸椎10番、腰椎1番)で、風邪になる、風邪を引いている、風邪が抜けた、風邪を全うした、喉に残る、泌尿器に出る、もう一度熱が出る…等々を見て、状態に合わせて経過を促す操法を施していきます。

最後に

風邪にコロナもインフルエンザもありません。その体の状態によって経過していく単なる体の回復反応、環境適応反応、成長反応です。

昔は珍しかった癌や腫瘍などが今は2人に1人の割合で当たり前に起きていたり、車椅子や寝たきりになるのが当たり前のような社会なのは、慢性的な食べ過ぎや薬の常用による自家中毒状態で毒が体内を巡っている上に、下痢や発疹などが起きればまた薬で蓋をしてその毒を体内に留まらせる、薬やワクチンなどで熱や症状を止めたり風邪を全うしない、つまり体の回復機能を自ら抑制し続けていれば、自ずとそういう結果になるのもまた自然の理です。

体は薬で健康になるものではなく、自身の力で回復していくのが唯一健康というものです。