体(ボディ)の寿命

開業以来多くのお体を拝見してきて思うのが、腰が下がって背骨のS字カーブというバネを失ったまま生きるとすると、だいたいボディの耐用年数としたら560年ほどではないのかなと感じています。

昭和30年頃の日本人の平均寿命は男性は60代前半、女性は60代後半でした。定年が50歳の時代です。遡って戦前はだいたい40代で推移しています。現在は医療が発展して、壊れた体でも手術で治せたり、ワクチンが開発されたり、寝たきりや車椅子でも生きていける世の中ですが、それらが満たされていない時代だと450代が寿命だったのと、今現在5060代の患者さんの体の壊れ方や人生の歴史を観ていると、S字カーブを失った体の耐用年数はだいたい50年前後、と符号します。

何年か前にテレビで100歳の空手の先生(現役)のことをやっていたのですが、やっぱり腰がしっかりしていました。100歳まで生きるとして、腰が下がっているとしたら、それは医療に支えてもらいながらの100歳になってしまうだろうなぁ

生涯、100歳まで元気に生きるには、腰がやっぱり要(かなめ)です。

そして、腰はいつでも、何歳からでも立てなおせるものです。

もし今、床の上に仰向けに寝て、背骨のどこかが床にくっ付いているとしたら、腰が落ちて背骨のS字カーブが崩れています。特にお尻の上、腰の付け根に手が入る隙間がなくべったり床に密着しているのならこれはもう要注意です。 (本来、床に着くのはお尻と肩甲骨と後頭部だけです)